11年前にタイに移住した“やり手シンママ”がヨガとアパレルで大成功するまで
渡邉有優美さん
円安で海外に仕事を求めて移住する日本人が増えているが、今回紹介する渡邉有優美さんは11年も前に小さな子供2人を連れてタイに移住し、ヨガスクールとアパレルブランドを立ち上げて大成功したシングルマザーだ。
■タイ・バンコクの最高級タワマンに暮らす
現在暮らしているのはタイの首都バンコクでも最高級とされるタワーマンション。大使館関係者やタイの有名女優らも住んでいるという。上層階にある自宅とオンラインでつなぎ取材したが、画面越しでも若々しさが際立つ。そう伝えると「ヨガのおかげと、ストレスのない生活を送っているからでしょう。私は家事を一切しませんから。嫌なことをやらなければ、人は老けないんです」と臆面もなく答えた。家事はタイ人家政婦に頼んでいるそう。
主婦のみならず、嫌な仕事に毎日追われるサラリーマンにもうらやましい生活。経緯を聞いてみると、そこには多くのビジネスヒントがあった。
まずはターゲットを絞ったこと。タイに移住した当初、現地には日本人が10万人ほどいたという。日本で人気ヨガインストラクターだった渡邉さんは、現地の日本人だけを相手に営業活動を行った。
「一からタイ語を学んでいたら、いつ始められるか分かりません。当時10歳と7歳の子どもがいた私には、すぐにスタートする必要があったのです」
日本食レストランに日本語のチラシを貼ったり、日本人向けのヨガスタジオでワークショップを開いたりして、少しずつ口コミで生徒を増やしていった。その多くが日本企業の駐在員の妻たち。ビザの都合で働くことができず、生活の張り合いのために習い事を探していたのだ。
アパレルブランドの立ち上げは、そうした日本人生徒たちの要望が大きなきっかけだ。