住宅ローン金利は上昇するのに預金の利息がアップしない「これだけの理由」
2023年は「その日」が来る。その日とは日銀の異次元緩和の金融政策の転換である。これまで日銀は、デフレ脱去を図るため、直接、国債市場、株式市場、不動産市場に介入、大量の国債、ETFやJ-REITを資本市場から買い入れ、過剰流動性を市場に放出、金余りを人為的につくってきた。過去20年間、デフレを脱却できず、貨幣数量説に準拠するようなリフレーション、サプライサイドの金融政策はうまくいかなかった。
足元の物価上昇は、金融政策ではなく、ウクライナ情勢を契機とした国際商品市況の上昇と米国の利上げによるドル高円安によりもたらされた輸入インフレの結果である。
その反省からか、日銀は昨年12月20日の金融政策決定会合で、長期金利の上昇の上限を0.25%から0.5%へ引き上げた。日銀以外に買い手の少ない国債のテコ入れや円安阻止も狙い日米長期金利差を縮小させるステルス金融引き締めに動き、市場の反応をテストした。
黒田総裁任期の23年4月8日までに、日銀は政策転換を宣言するのではと、内外の機関投資家は政策転換に備え始めている。