倒産ラッシュXデーは2023年5月か? 19万社に迫る“ゾンビ企業”を「四重苦」が襲う
実質的に倒産状態でありながら、なお営業を継続している「ゾンビ企業」が急増している。
こうした“倒産予備軍”がバタバタ倒れる“Xデー”は来年5月とも言われている。経営立て直しを阻む悪材料がいくつも揃っているからだ。
■利上げ、円安、原油高、融資返済
帝国データバンク(TDB)が26日に公表した調査によると、21年度のゾンビ企業は約18.8万社に上り、19年度の14.6万社、20年度の16.6万社から大幅に増えている。
「ゾンビ企業が増えているのは、ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)をはじめとしたコロナ関連融資が一因です。ゼロゼロ融資によって延命している。TDBが8月に実施した調査によると、コロナ融資を受けたのは、回答企業全体(1万1935社)では5割でしたが、ゾンビ企業に限ると8割近くに達しました」(TDB情報統括部・太宰俊郎氏)
来年5月にゼロゼロ融資の返済が本格化するが、金融機関の一部では、ゾンビ企業の倒産ラッシュが始まるとの見方が広がっている。
TDBの調査によると、ゾンビ企業の約2割はコロナ融資の返済に不安を抱えている。単純計算で3.7万社がヤバいことになる。なお、21年度の倒産件数は5916件だったから、ざっと6倍になる。万単位の倒産件数は大ごとだ。