長谷川高
著者のコラム一覧
長谷川高不動産アナリスト

長谷川不動産経済社代表。著書「家を買いたくなったら~令和版」「家を借りたくなったら」(WAVE出版)は初版から累計10万部を突破。新刊「不動産2.0」(イースト・プレス)で人口減少、供給過剰で大転換期を迎えるマーケットを制するための不動産の必須知識を伝えている。

“黒田ショック”から始まる住宅ローン金利上昇に備えよ! 不動産売却は“なるはや”がいいワケ

公開日: 更新日:

 12月20日、日銀が驚くべき発表をしました。これまで長期にわたって実施してきた金融緩和策を修正し、従来の0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%まで拡大するとしたのです。

 多くの金融関係者は黒田東彦日銀総裁が退任するまでは、こうした動きを日銀が行うことは無いであろうと予想していました。しかし、黒田総裁の在任中、かつ2022年年末に実質的な金利上昇を許容したことは、実に驚くべき「事件」といってもさしつかえないでしょう。

 会見に臨んだ黒田総裁の表情もこれまでのような険しい表情ではなく、どこかホッとしたような表情であったように感じました。米欧など先進国各国は、日本に先んじて国内の物価高、つまり高いインフレ率により大幅に政策金利を上昇しさせています。その中で日銀だけが動かず、音なしの構えだったわけです。

 黒田総裁の生みの親であり、最大の庇護者であった安倍晋三元総理が今年7月に亡くなりました。岸田文雄総理と黒田総裁との関係は、安倍元総理と黒田総裁との関係のように堅固なものではなかったのかもしれません。よって黒田総裁もご自身が退任する前に、誰に遠慮することなく日銀が本来やるべきことを実施し、多少なりとも今後に道筋をつけたかったと思われます。国内の金利の上昇はここで止まる事はなく、今後も続くインフレ対策をする必要からも、ますます上がっていくものと思われます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    芦田愛菜、谷花音、鈴木福、本田望結…高学歴が話題の元子役たち“評価真っ二つ”のナゼ

    芦田愛菜、谷花音、鈴木福、本田望結…高学歴が話題の元子役たち“評価真っ二つ”のナゼ

  2. 2
    吉田正尚もっかWBC打点王「13打点」は大会新! マイアミで「5年120億円」の価値証明

    吉田正尚もっかWBC打点王「13打点」は大会新! マイアミで「5年120億円」の価値証明

  3. 3
    小倉一郎さん「がん」が肺、胸骨、脳の4カ所に…大病を機に、やりたい3つのことすぐ行動に

    小倉一郎さん「がん」が肺、胸骨、脳の4カ所に…大病を機に、やりたい3つのことすぐ行動に

  4. 4
    佐々木朗希はWBC準決勝で“虚弱”返上 160km超え連発で全米に衝撃、メキシコ指揮官も絶賛!

    佐々木朗希はWBC準決勝で“虚弱”返上 160km超え連発で全米に衝撃、メキシコ指揮官も絶賛!

  5. 5
    広瀬すず&永瀬廉の演技力のおかげ?「夕暮れに、手をつなぐ」は“爆死”ギリギリ回避

    広瀬すず&永瀬廉の演技力のおかげ?「夕暮れに、手をつなぐ」は“爆死”ギリギリ回避

  1. 6
    道端ジェシカ容疑者逮捕で「姉妹・兄弟売り」リスク露呈…トラブル歴なし長女カレンまた謝罪

    道端ジェシカ容疑者逮捕で「姉妹・兄弟売り」リスク露呈…トラブル歴なし長女カレンまた謝罪

  2. 7
    道端ジェシカ容疑者“泳がせ逮捕”はMDMA常習だからか…元麻取は「売人」の可能性も指摘

    道端ジェシカ容疑者“泳がせ逮捕”はMDMA常習だからか…元麻取は「売人」の可能性も指摘

  3. 8
    いまも生きている父・徹さんの教えとTJ手術後のスケールアップ

    いまも生きている父・徹さんの教えとTJ手術後のスケールアップ

  4. 9
    井上真央の次の大仕事は…「100万回言えば」はファンタジー設定でも視聴者の心ワシづかみ

    井上真央の次の大仕事は…「100万回言えば」はファンタジー設定でも視聴者の心ワシづかみ

  5. 10
    ビートたけしセミリタイアいよいよか…高田文夫が明かした「田舎暮らし」は終活の一環?

    ビートたけしセミリタイアいよいよか…高田文夫が明かした「田舎暮らし」は終活の一環?