黒田日銀「異次元緩和策」修正なぜこのタイミングで? 専門家に聞いた
なぜ、このタイミングで政策の見直しに動いたのか──。
日銀は20日開いた金融政策決定会合で、現在の大規模な金融緩和策の一部修正を決定した。長短金利操作を柱とする緩和策の枠組みは維持しつつ、0%程度に誘導する長期金利の許容変動幅を従来のプラスマイナス0.25%程度から同0.5%程度に拡大する。変動幅の拡大は2021年3月に0.2%程度から拡大して以来。事実上の利上げとなる。
日銀の政策修正を受け、債券市場では長期金利が0.460%に急上昇。外国為替市場では円が急速に買い戻され、日経平均株価は急落した。
日銀は「金融緩和の持続性を高めることで物価安定の目標の実現を目指していく」との声明を公表したものの、「事実上の利上げ」となれば、黒田東彦総裁(78)が2013年から進めてきた「異次元緩和策」の一部見直しに動いたーと市場に受け取られかねない。
これまで国会質疑で野党議員から政策修正の考えを問われても否定的だった黒田日銀はなぜ、今、修正に動いたのか。今後、日本経済はどうなるのか。相澤幸悦・埼玉大学名誉教授(72)に聞いた。