五輪談合が波及…電通が落札した大阪万博「60億円」目玉事業の行方
五輪に続き、万博も“電通案件”だった。2025年大阪・関西万博を運営する「日本国際博覧会協会」が公式キャラクター「ミャクミャク」のライセンス事業について、広告最大手「電通」などで構成する共同企業体(JV)と11月末に契約したことが判明した。
電通は東京五輪のテスト大会を巡る談合事件で東京地検特捜部などの家宅捜索を受けたばかり。「何もこのタイミングで」と大阪府議会からも批判の声が上がったが、関係者にすれば「何を今さら」かもしれない。
電通は万博誘致委員会のオフィシャルパートナーを務め、19年1月に国と大阪府・市、経済界の協力のもと万博協会が設立されて以降、今回のライセンス事業以外にも、すでに計8件の事業を落札している(別表)。
東京五輪大会組織委員会と違い、万博協会は公式HPで契約情報を公開中だ。電通が落札した事業の公募要領には万博のプロモーション、企業・団体の万博参加の促進、パビリオンの設計、開閉会式や期間中のコンサートの編成とあり、万博は電通に「おんぶに抱っこ」の状態である。
中でも大きな仕事は、万博のテーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」に関する事業だ。
「万博会場の中央に位置する8つの催事施設『シグネチャーパビリオン』で展開されるイベントの目玉です。各界を代表する8人のプロデューサーが主導するリアルとバーチャルを統合した多様な体験により、訪問者が『いのち』について考えるという触れ込みです」(万博協会関係者)
このうち電通と子会社のJVは放送作家の小山薫堂氏がプロデュースする「いのちをつむぐ」、ロボット研究者の石黒浩氏の「いのちを拡げる」、データサイエンティストの宮田裕章氏の「いのちを響き合わせる」と3つのイベントの業務計画提案事業を落札した。