「セブン&アイHD」売上高は小売業界初の10兆円台へ 円安が追い風になったワケは…
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は売上高にあたる連結営業収益が2023年2月期に10兆円を超える見通しだ。国内の小売業で10兆円の大台に乗せるのは初めてだ。
連結営業収益は前期比33.1%増の11兆6460億円。4月に公表した従来予想(9兆6530億円)から2兆円近く上方修正する。営業利益が23.0%増の4770億円(従来予想は4300億円)、最終利益は25.3%増の2640億円(同2400億円)に引き上げた。
為替の前提を円安に変更したことによる。21年5月に2兆円を投じ、ガソリンスタンド併設のコンビニ、米スピードウェイを買収しており、円安が追い風となった。
想定為替レートは1ドル=127円。同114円から円安方向に修正。海外のコンビニ事業の営業収益の見通しは前期比67.5%増の8兆7030億円へと、従来予想を2兆円以上も引き上げた。売り上げの上方修正は、すべて海外コンビニ事業が寄与した分ということになる。
米スピードウェイが加わったことにより、米国のコンビニの店舗数は1万2500店と3割増えた。フランチャイズチェーン(FC)加盟店が大半の日本とは異なり、スピードウェイは直営店だ。