LNG投資は一段と活発化する 設備の建設に日本企業が大活躍
天然ガスはカーボンニュートラル(脱炭素)の切り札といわれている。燃焼時のCO2(二酸化炭素)の排出量は石炭の4割程度に過ぎない。そう、比較的に環境負荷の小さいクリーンエネルギーである。
それに、産出地が世界各地に点在している。埋蔵量も豊富だ。「良いことずくめじゃないか」。いや、そうでもない。ヨーロッパ諸国はパイプラインを通じ、ロシア産の天然ガス(依存度4~5割)に頼り切っていた。それが“逆風”となっている。
主因はウクライナ紛争だ。EU(欧州連合)はロシア産の天然ガスの調達を多様化(ロシア産は全廃の方針)、再生エネルギー(風力、太陽光発電など)を拡大する。
この「つなぎ」として脱原発の旗を降ろし、石炭火力を維持する。ただし、あくまでも「危機対応」措置だろう。
将来的にはロシア~ドイツ間の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」を廃止する方針だ。通商的には国交断絶に近い。では、天然ガスはどう手当てするつもりなのだろうか。
イタリア、フランスなど欧州諸国はみんなそうだが、LNG(液化天然ガス)に切り替えるしかない。天然ガスをマイナス162度まで冷却し、液化させたものがLNGだ。体積は600分の1になる。