小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

5代目はスペシャルティ! 世界のハイブリッドカー新型プリウスはなぜ突然変異したのか?

公開日: 更新日:

トヨタ プリウス(価格未定)

 ご存じ日本が誇るハイブリッドカー、トヨタ・プリウスが突然変異した。先日11月16日に全く新しい5代目が世界公開されたのだが、中身のコンセプトが激変しているのだ。

 一応ボディタイプはハッチバックのままだし、スタイルがちょっと変わっただけと思う人もいるかもしれないが存在意義は大きく変貌している。今までは純粋に省燃費を追った大衆エコカーだったが、突如カッコ良さと走りを追求したスペシャルティカーに生まれ変わっているのだ。

 2003年に初代から2代目に変わる時もセダンボディがハッチバックに変わり、心臓部のTHS(トヨタハイブリッドシステム)がTHSⅡに進化したが変化幅はそれ以上かもしれない。

一部ではフェラーリに準える人も

 一番大きいのはスタイルの変貌で、従来より25mm長く20mm広く40mmも低い、全長4600×全幅1780×全高1430mmサイズに。ホイールベース(前後輪の間隔)も50mm拡大して2750mm。フォルムもプリウスらしいサイドのトライアングルシルエットこそ留めているが、パッと見の印象は低くてワイドなスポーツカー。特に低すぎるノーズからウィンドウを通してルーフへと繋がるペチャンコで長いラインは、一部でスーパーカーのフェラーリに準える人もいるくらいだ。

 同時に凄いのはパワートレイン。今回なんと3種類も用意され、従来進化型の1.8ℓハイブリッドに加え、2ℓハイブリッドと、2ℓプラグインハイブリッド(PHEV)もある。オマケに前者が140psに強化されただけじゃない。2ℓが193ps、2ℓPHEVが223psへと大幅パワーアップし、最速モデルの時速0-100km加速は6.7秒。スポーツカーのGR86よりわずかに遅いくらいだ。

 骨格も第2世代TNGAプラットフォームを採用し、19インチの大径タイヤを履き、さらなる低重心&高剛性化が図られている。

 それでいて一応5人乗りはキープし、昭和ー平成のバブル期を知る筆者からすると、かつてのホンダ・プレリュードや日産シルビアの如きスタイルと適度な速さを両立したスペシャルティカーが復活したかのよう。

 このスタイルがゆえリア席の頭上スペースはもちろん、フロント席でも乗り降りに期待は出来ないし、視界もSUVなどに比べていいとは思えない。

従来のプリウス客はアクアやカローラ、カローラクロスに移りつつある

 価格や詳細が明らかになってないので断言することはできないが、日本ではミニバン、世界的にSUVが流行る中、売りやすいモデルではなさそうなのだ。

 ではなぜ5代目は突然変異したのか。そこには明らかな環境変化がある。1997年に登場した世界初の量産ハイブリッドカープリウスだが、今やハイブリッドだらけ。トヨタ内でもライズ、ヤリス、カローラ、クラウン、カムリ、RAV4、ハリアー、ノア&ヴォクシー、アルファード&ヴェルファイアがハイブリッド化し、かつての「ハイブリッド専用車」の価値は薄れかけている。

 さらに今やエコカーとしてもバッテリーEVが台頭し、“ハイブリッドの意義”が問われている。

 そんな中、新型プリウスはハイブリッド専用車として新たな存在意義を模索し、結果生まれたのが、かつてないスタイルと走りと燃費を両立したハイブリッドスペシャルティとしての新スタイルなのだ。

 従来のプリウス客はアクアやカローラ、カローラクロスに移りつつある。果たして新型はカッコいいハイブリッドカーを求める今までにない客をどれだけ掴めるだろうか?

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