そんなにあるのか日本の「訳あり住宅」…専門買い取り企業の社長に聞いた
丸岡智幸さん(ネクスウィル)
「訳あり不動産」というものをご存じか。訳ありと聞くと自殺などの事故物件を思い浮かべるかもしれないが、それだけではない。空き家問題や長引く不況などの事情で売るに売れない物件=訳あり不動産が増えている。それを専門に買い取りを行っているネクスウィルの丸岡社長に詳しく聞いた。
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──訳あり不動産とは?
土地や建物に瑕疵がある物件のことで、①物理的瑕疵②法的瑕疵③環境的瑕疵④心理的瑕疵──の4つに分けられます。具体的には①が雨漏りやシロアリ、地盤沈下などがある物件、②がさまざまな法的要因で再建築不可な物件、③は隣が暴力団事務所や墓場など住みづらい環境にある物件、④が自殺などいわゆる事故物件。全体の市場規模は不明ですが、例えば接道条件が悪くて再建築不可な「法的瑕疵物件」だけでも、家屋全体の約3分の1あるといわれています。
■相談が急増している空き家と所有者不明物件。総面積は北海道と同じ
──最近注目の訳あり不動産は?
実は4つの瑕疵物件には含まれていないのですが、所有者不明や共同持ち分でこじれている物件があります。私どもではこれを第5の訳あり不動産として「人間関係の瑕疵物件」と呼んでおり、相談が圧倒的に多い物件です。いま社会的に問題になっている空き家もその一つ。所有者不明物件を合わせると、北海道全域ほどの面積になるといわれています。