M&Aキャピタルパートナーズ(下)ライバルとは異なる方法で狙う業界トップの座
「日本一給料の高い会社」に8年連続で輝くM&Aキャピタルパートナーズ(以下キャピタル)は、中堅・中小企業のM&A仲介をするため、元積水ハウス営業マンだった中村悟氏が、2005年に創業した。給料ランキングで初めてトップに立ったのは12年度のことだから、設立わずか7年で栄冠を手にしたことになる。
前回(15日発行号)書いたように、それを支えているのが、自社で売り手企業を探す営業力だ。M&A業界の先行ランナーである日本M&Aセンター(以下センター)は、全国の会計事務所や金融機関を通じて売り情報を集めているが、その分、紹介料を支払わなければならない。
一方、キャピタルは成功報酬をすべて受け取ることができ、それを社員に還元することで高い給料を実現している。
ただし自力で売り手情報を探すのは簡単なことではない。企業経営者にとって自分の会社はわが子のようなもの。手放すにあたっては信頼できる仲介会社に買い手を探してほしいと考えるのは当然だ。聞いたこともない会社から電話がかかってきて「会社を売る気はありませんか」と言われても、詐欺だと考えて電話を切ってもおかしくない。