M&Aキャピタルパートナーズ(上)日本一高い給料を支える“逆張り”経営の秘密
日本一給料の高い会社はどこか──。
以前ならテレビ局、今なら総合商社の給料が高いのはよく知られている。しかし過去8年にわたり、上場企業の中で社員給与ランキングトップに立ち続けているのは、売上高が200億円強の中堅企業、M&Aキャピタルパートナーズ(以下キャピタル)で、2021年度の平均給与は2688万円。2位のキーエンスに500万円以上の差をつけてぶっちぎりの1位だった。
■中小企業の後継者探しで急成長
キャピタルと聞いても一般的にはそれほど馴染みがないかもしれないが、M&A仲介会社として05年の設立以来、急成長を続けてきた。その背景にあるのが中小企業の後継者不足だ。
中小企業の経営者の子どもたちの多くは、小さい頃から親の苦労を見ているため、後を継ぎたいとは思わない。また親は親で、子どもに自分のような苦労を味わってほしくないと考える。かといって従業員に譲るのは資金的にむずかしい。
経済産業省の発表では、中小企業127万社で後継者がおらず、今後10年間で60万社が黒字にもかかわらず廃業すると予測している。