IT技術者は企業から引っ張りだこ リスキリング(学び直し)の必要性はさらに加速する
リスキリングが話題となっている。いや、ニーズは高まるばかりだ。「学び直し」と訳されるが、定義は「新しい職業に就く」、ないしは「いまの職場で必要とされるスキルの大幅な変化に対応」し、「必要な能力を獲得する」ことである。
好例は金融機関、製造業中心に活発に行われているDX(デジタルトランスフォーメーション)人材育成だろう。日本はもともと理系の大学生が全体の17%と少なく、IT技術者が不足気味だ。そこに、インボイスの導入などデジタル革命が進行している。企業は「IT技術者はいくらでも欲しい」と。
今後、この流れは加速するだろう。岸田首相は先の所信表明演説で、「人への投資策」のパッケージを拡充した。従来は「3年間に4000億円」だったが、これを「5年間に1兆円」と、公的支援方針を打ち出している。
企業サイドは世界的な競争力強化のために、IT人材の確保が欠かせない。ともあれ、文系の人たちにはいまさらIT教育を、といわれても……。おそらく当初はチンプンカンプンではないか。
優秀なIT技術者はインド、ベトナムにたくさんいる。しかし、日本では高給(年俸2000万円程度が必要)を出せないうえ、円安による実質手取り減とあって、みんな他国に流れているという。