勝負に出ない雨宮副総裁から遠のく日銀総裁の座…水面下で進む黒田後継人事の行方
財界通(以下=財) 臨時国会で円安や物価高対策などの質疑は続くが、任期が半年を切った黒田東彦日銀総裁の後継人事の動きは見えてこない。でも、水面下では人選が進んでいるのだろう?
政界通(同=政) 当然だ。国会に人事案を諮る岸田文雄首相は「自分が決める」と明言しているうえ、候補者は限られている。人事案を諮るのは1月に始まる通常国会でもいい。表に出すタイミングを待っているだけだ。
官界通(同=官) 最有力とされた雨宮正佳副総裁が、候補から外れたのではないかとの情報があるが、本当か?
政 さすが、耳が早い。雨宮氏は長年、日銀の金融政策の中枢にいながら、内外金利差が生む円安と物価の上昇を放置する黒田路線の異次元緩和に追随するだけ。金利を日本経済の「体温」に即した水準へ上げるという、日銀本来の役割を果たしていない。日銀OBに「黒田さんに路線変更を説得すべき、その勝負を懸けないなら、総裁になる資格はない」という声が広がっている。岸田首相の耳にも入っているようだ。