浜矩子
著者のコラム一覧
浜矩子同志社大学教授

1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。

茶番の為替介入…日銀よ、おまえたちは手品師のつもりなのか

公開日: 更新日:

 24年ぶりに政府が踏み切った円買いドル売りの為替介入。しかし、自国通貨買いの介入では、非常に難しい2つの現象が起きる恐れがある。

 自国通貨売りならば、介入資金はいくらでもあるが、自国通貨を買うとなると外貨を用意しなくてはいけない。国が持っている外貨準備は全部が現金ではなく、むしろ大部分が日本の場合なら米国債です。現金だけでは小さなスケールでしか介入できず効果が薄いので、本格的に介入するなら米国債を売ってドルを調達しなければならなくなる。

 ところが米国債を売ると、市場において米国債の供給が増えることになるので、米国債の価格が下がる。つまり、米国債の利回りが上がり、ますます日米の金利差が拡大してしまう。

 日米の金利差が大きいから急激な円安が進み、その円安を止めるために為替介入をするのに、為替介入資金を調達するために米国債を売ると、日米金利差がさらに拡大し、円安圧力がかえって高まってしまう……。介入規模を大きくすればするほど、円安進行の危険性が高まるという、非常にバカらしい状況に追い込まれていくわけです。

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