串カツ田中HD(下)「助成金頼み」の黒字化…本格離陸はいつになるか
白いテント地の看板に「名物串カツ田中 大阪伝統の味」と書かれている。関東圏を中心に直営とFC(フランチャイズ)で300店余りを展開する「串カツ田中」の店舗だ。
「意外に思われるかもしれませんが、串カツ田中の『田中』は、私ではなくて副社長(田中洋江さん)の名前。彼女の父親(田中勇吉)が作っていた串カツのレシピが、うちの店のルーツです」
串カツ田中ホールディングス(HD)の創業者の貫啓二がSMBC日興証券の情報サイト、日興フロッギーの2017年2月24日付のインタビューで、こう語っている。
貫は大阪府三島郡島本町の生まれ。父は町工場の職人、母は編み物の先生で2人兄弟の弟。1989年、大阪府立島本高校を卒業し、トヨタ輸送に入社。物流のカイゼンに携わった。
27歳の時、10年勤めたトヨタ輸送を辞め、大阪・心斎橋で15坪のショットバーを開く。外資系広告代理店で働いていた田中洋江がアルバイト第1号だった。
串カツの店が林立する大阪・西成区で育った田中は「次に店を出すなら串カツ屋がいい」と、串カツの有名店に連れていってくれた。