岸田政権肝いり「NISA」拡充で円安物価高さらに加速…“ニッポン大セール”の様相
歴史的な円安は底が見えない展開だ。岸田政権や日銀の口先介入は効果なし。要因のひとつである日米の金利差は拡大の一途だ。
40年ぶりの高インフレに苦しむ米国では、FRB(連邦準備制度理事会)が20日からのFOMC(連邦公開市場委員会)で、3回連続となる0.75%の利上げに踏み切る見通し。日米金利差は、年内に4%超となる公算が高まる中、岸田首相が掲げる「資産所得倍増プラン」が円安物価高に拍車をかけようとしている。
立教大大学院特任教授の金子勝氏(財政学)はこう言う。
「円を売ってドルを買うだけで利回り4%は堅い。円キャリートレードで稼ぐ投機筋ばかりでなく、FXトレーダーまでもが円売りに走っています。当初掲げた『令和版所得倍増計画』を引っ込め、『資産所得倍増プラン』に看板をかけ替えた岸田首相は、NISA(小額投資非課税制度)の拡充を目玉に位置づけています。現行制度の期限切れを迎える来年から一部見直されますが、さらに手を入れて投資熱をかき立てようとしている。もっとも、このタイミングでの貯蓄から投資への誘導は円売り・ドル買いに拍車をかけかねません」