谷深ければ山高し? 1ドル=144円突破「米ドルの破滅のループ」に要警戒
株式市場の相場格言に「山高ければ谷深し」「谷深ければ山高し」がある。相場の山、すなわち株価の天井が高いほど、相場の谷、相場の底値も低いし、逆もしかりということ。資本主義の景気循環を指した見方でもあり、実際、長期の株価チャートに当てはまる。
それでは、景気に影響を与える天候はどうだろうか。今年は猛暑だったが「夏暑ければ、冬寒し」となるだろうか。
寒いと深刻なのは欧州である。ロシア国営エネルギー企業ガスプロムは9月2日、欧州に天然ガスを送るパイプライン「ノルドストリーム1」について、保守点検を理由に8月31日から稼働を停止しているが、圧縮機でオイル漏れが見つかったとして予定していた供給再開の時期を明言せず、「当該装置の運用の問題が解消されるまで、ノルドストリームパイプラインへのガス供給は完全に停止される」とした。
ノルドストリーム1はドイツに直接つながり、昨年、欧州のロシア産ガス総輸入量の約35%を占めていた。
同日、主要7カ国(G7)がロシア産石油に価格上限を設けることで合意。ロシアは以前から、価格上限を導入する国に対しては石油輸出を禁止すると示唆している。