卑怯技の元柔道家と化したプーチン 核と原発で脅す「汚い戦争」の行く末
プーチン大統領が最高司令官として君臨するロシア軍は、隣国に国家存続の危機をもたらした。
「いつでも核兵器を使用する用意がある」という脅しが、ウクライナの過度の越境攻撃だけでなく、国際社会にロシアとの全面戦争をちゅうちょさせた。最終兵器にむやみに頼るのは、通常兵器で北大西洋条約機構(NATO)に負けている裏返しでもある。
■最終兵器を失ったウクライナ
メドベージェフ前首相に至っては、ロシア占領下のクリミア半島への攻撃を「国家の存立」を脅かす事態と見なし、核戦争による「終末の日」まで警告した。ウクライナが失地回復への破壊工作を活発化させると、危険水位は高まった。
こうしてロシアが頼みの綱とする核兵器。実はソ連崩壊後、ロシアだけでなく、ウクライナも保有していた。不拡散のため、ベラルーシ、カザフスタンを含めた3カ国が核を手放す代わりに、他国から侵略されないと約束されたのが1994年のブダペスト覚書。米英と共に署名したロシアがこれを無視して2014年に軍事介入してきたものだから、ウクライナ人は怒り心頭だ。