AOKI HD(上)“タタキ上げ”経営者の悲劇…創業者・青木前会長が贈賄容疑で逮捕
東京地検特捜部は8月17日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)を受託収賄容疑で、AOKIホールディングスの創業者で前会長の青木拡憲(83)、前会長の弟で前副会長・青木宝久(76)、専務・上田雄久(40)の3人を贈賄容疑で逮捕した。
渦中の人となった青木拡憲容疑者は、高校卒業後、スーツを売り歩く行商から身を起こし、年商1500億円の会社にした立志伝中の人物だ。
青木前会長らは、東京五輪・パラのスポンサー契約や公式ライセンス商品の販売に関して8項目の要望書を出していた。そのうえで、青木前会長の資産管理会社から、4年半にわたり高橋元理事が代表を務めるコンサルタント会社、コモンズにコンサルタント料の名目で計5100万円が振り込まれていた。東京地検特捜部はAOKI側の請託(依頼)、高橋元理事の便宜供与の見返りとして現金を受領したという贈収賄の図式を描いている。コンサルタント料が便宜の対価という認識だ。
関係者によると、オフィシャルサポーターはAOKIなど約20社あり、スポンサー料の“相場”は15億円。AOKIはトータルで半額の7億5000万円の支払いで済ませた、といわれている。スポンサーの選定過程や各企業の契約金額は公表されておらず、ブラックボックス化していた。AOKI側は「公式ライセンス商品の販売期間を延長できるようにして欲しい」と要望していた、というから、かなり強欲だ。