“リアル歌舞伎町の女王”儲けの秘訣は「逆境の時こそ攻めろ!」 コロナ禍に5つ新規開店
(株)PDE代表 橘マリーさん
コロナによる倒産ラッシュが止まらない。帝国データバンクの調べによると、「新型コロナウイルス関連倒産」(法人および個人事業主)は、全国で3943件(8月25日現在)。業種別ではやっぱり「飲食店」が最も多く、594件だ。
「真面目にやってたって、客が来ないのだから仕方がない……」
そんな怨嗟の声が聞こえてきそうだが、この人は飲食店が多く集まる新宿の歌舞伎町で、コロナ禍に寿司店、バー、美容サロンなど5軒の店を新規にオープン。“弱冠”34歳で女性ながら、合計12の店の経営に関わる。椎名林檎のヒット曲になぞらえれば、まさに“リアル歌舞伎町の女王”。そのビジネスの秘訣を一言でいえば“逆境の時こそ攻めろ”だ。
「今から2年前に緊急事態宣言が出された後は、歌舞伎町でも閉店する店が相次ぎました。しかし同時に、普段だったら出ない好立地の店舗が、続々貸しに出されたんですね。うちもピンチでしたが、逆にチャンスかもしれない! 今のうちに良い物件をできるだけ押さえようと腹を決めました」
狙ったのは1階の路面店。客商売では最も集客率が高いとされる物件だ。同じように1階路面店を狙っていた企業は他にもあったが、「歌舞伎町って、街を盛り上げようとする人や会社を優先する気風があるんです。私はこの10年、ずっと歌舞伎町でやってきたので、地元の不動産屋に少しは顔が利きました。なので、順番を飛ばして、優先的に交渉することができたのです」。
とはいえ、先立つものは必要。家賃まで安くしてくれるほど歌舞伎町は甘くない。どうしても足りない時は、出資者を募るなどして工面したという。