「ふざけんなよ!」と政府にかみついたサイゼリヤ堀埜社長“退任の引き金”
低価格のイタリアンファミレスチェーン「サイゼリヤ」の社長が交代する。松谷秀治執行役員(64)が9月1日付で社長に昇格し、堀埜一成社長(65)は退任する。
社長交代は13年ぶり。創業者である正垣泰彦代表取締役会長(76)は続投する。堀埜氏から「一身上の都合」で辞任するとの申し出があったという。松谷氏は11月29日開催予定の定時株主総会と、総会後の取締役会の承認を得て代表取締役に就任する予定だ。
退任する堀埜氏は、外食業界では異色の経歴の持ち主。京都大学農学部農学研究科を修了後、味の素の研究者となる。「飲食業と農業を産業として成立させたい」という正垣泰彦氏の熱意に共鳴し、2000年、サイゼリヤに入社した。
正垣氏は学生起業家だ。1967年、東京理科大学4年次に、レスラン・サイゼリヤを千葉県市川市に開業。73年、マリアーヌ商会(現・サイゼリヤ)を設立、社長に就任し、00年に東証一部上場を果たす。この年に堀埜氏を招聘した。
09年、堀埜氏は正垣氏から社長のバトンを引き継ぎ、正垣会長、堀埜社長の二人三脚の経営体制で、15年にグループ年間来客数2億人突破を実現。19年7月、国内外で1500店舗を達成した。