有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

がん治療薬開発で注目も…東大発の医療ベンチャー「テラ」が破産に至ったワケ

公開日: 更新日:

 東大医科学研究所発の医療ベンチャー「テラ」(東証スタンダード上場)が5日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。東京証券取引所はテラ株を23日に上場廃止にする。負債総額は1億8765万円。

 東大発のベンチャーとして、がん治療薬の開発などで期待されていたが、ここ数年は、ガバナンス(企業統治体制)の不備が露呈し、不祥事や疑惑が相次いだ。20年4月、医療機器開発の「セネジェニックス・ジャパン」(破産手続き中)と業務提携し、新型コロナ治療薬の開発に向けてメキシコで臨床研究を始めると発表。会見にオンラインで登場した鳩山由紀夫元首相は、「成果をあげることを切に望む」と述べた。

 100円台の低空飛行だったテラの株価は6月9日には2175円まで急騰したが、東証が7月に「提携の経過に不明確な情報が混在している」と注意を喚起すると、株価は600円台まで下落。10月、第三者割当増資でセネ社から35億円を資金調達すると発表したことで、株価は一時900円まで戻した。

 その後、メキシコでの臨床研究を含めたものの、あらためて「開示内容に疑義がある」ことが判明。テラは21年8月、社内調査の結果として、「20年4月以降の適時開示情報60件のうち4割が事実と異なっていた」と公表した。

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