80歳までローン返済を抱えるのは大変…「リ・バース60」という選択肢はどうか?
住宅ローン編(8)
松野雄志(仮名)は、都内の医薬品メーカーで定年を迎え、今は再雇用で若手の指導に当たっている。老後に備えて初めてのマンション購入を準備中。同じようにマンション購入を考えている40代の新家樹(仮名)と、近所の居酒屋で今夜も就活ならぬ“住活”にいそしんでいる。
“住活”仲間である新家は賃貸マンション住まいだが、子どもたちの成長に合わせて、一回り広い分譲マンションの購入を計画中だ。6000万円のローンを組んで、7000万円の予算で何とか希望に合う物件を見つけようとしている。共働きなので、通勤の便を考えて、都内、それも23区内を希望している。予算面から、都心や城南方面の人気エリアは難しそうだが、城東、城北方面なら何とかなりそうと、「週末はモデルルーム巡りですよ」とうれしそうに、グラスを傾けている。
それに対して、61歳の松野は、3000万円の自己資金、2000万円のローンで5000万円ほどのマンションを手に入れたいと考えている。借入額は新家に比べて格段に少なくてすむが、61歳なので、完済時満80歳までという銀行の規定で、最長返済期間は20年以下に限られる。金利1%、15年返済なら毎月返済額は約12万円。再雇用で収入を得られるうちはいいが、年金だけになったら返済はラクじゃない。