佐高信
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佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

佐藤陽子で思い出すのは池田満寿夫ではなく、岡本行夫である

公開日: 更新日:

 世界的バイオリニストで声楽家の佐藤陽子が亡くなったのは7月19日だった。享年72。芸術家の池田満寿夫のパートナーとしても知られ、テレビやCMにも一緒に出演したと訃報にある。

 しかし、私は外交官の岡本行夫と結婚していたことにまったく触れられていないのが不満だった。これは岡本が私と同い年で交友があったからでもあるのだろう。私にとって、佐藤陽子は岡本の前妻であるに過ぎない。

 岡本も2020年4月24日に新型コロナウイルス感染症のために亡くなった。享年74。

 だから、今回の追悼譜は表向きは佐藤ながら、実質的には岡本のそれとなる。

 五百旗頭真、伊藤元重、薬師寺克行編の『岡本行夫』(朝日新聞出版)が岡本から送られてきたのは2009年である。それより10年以上前に広島県の呉で開かれたシンポジウムで初めて会った時のことを思い出しながら、これを読み、岡本にすぐに礼状を出した。

 最初はお互いにとても意見は合わないと思っていたのに、途中から意外に合うところもあるじゃないかと変わっていった。『毎日新聞』の岸井成格や、東洋経済新報社からTBSに移った生井俊重など共通の友人がいることもわかったからである。

「現場主義を貫いた外交官」である岡本の証言で、一番ウムと唸ったのは、外務省の北米一課長を「ミスが許されない官僚の職業の中で、だんだん自分は慎重主義に傾斜していました」として、辞める場面である。

 私は人間を、話していて直(じき)に口をとがらすタイプと、とがらさないタイプに分けている。後者の典型が官僚で、このタイプは苦手なのだが、岡本は口をとがらす「異色官僚」だった。

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