有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

東京五輪利権疑惑の電通元専務・高橋治之氏の実弟は「長銀を潰した男」

公開日: 更新日:

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元理事で、電通元専務の高橋治之氏(78)のスキャンダルが連日、報じられている。大会スポンサーの紳士服大手AOKIホールディングスから4500万円のコンサルタント料とは別に2億3000万円を受領していたという“口利き”疑惑である。

 高橋治之氏は「スポーツビジネスのドン」と呼ばれる実力者。1歳違いの実弟、故・高橋治則氏はバブルの寵児だった。“環太平洋のリゾート王”の異名をとり、「長銀(日本長期信用銀行)を潰した男」として金融史上に名をとどめる。

 バブルの時代に、タカハシ神話が生まれた。高橋家の先祖は長崎県平戸松浦藩松浦家分家の家老で、母方は浜口雄幸元首相の家系につながるというものだった。この神話を打ち砕いたのが「真説バブル」(日経BP社刊)。平戸島で取材した結果、高橋家は松浦藩の藩士だったが、家老というのは眉唾だった。母方がライオン宰相の遠縁にあたるのは事実である。

 高橋治則氏は終戦直後の1945年10月、父親・義治氏の実家がある疎開先の長崎県平戸市で生まれた。義治氏は戦前、満鉄の持ち株会社、東満州産業秘書課に入り、終戦を迎えた。商才があった義治氏は戦後のモノ不足の時代に輸入物資を売りさばいて財を成した。その後、日本教育テレビ(現・テレビ朝日)の設立に関わり、取締役に就任した。

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