佐高信
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佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

写真家として初の文化勲章をもらった田沼武能に流した冷や汗

公開日: 更新日:

 たった一度の出会いが忘れられないものとなった。

 2003年10月1日、私は郷里の酒田市にある土門拳記念館の開館20周年で講演をした。そこに日本写真家協会会長だった田沼も来ていて、初対面のあいさつをし、談笑しながら開会を待った。

 土門と同郷の私に講演の依頼が来たのは、その年の7月発行で『逆白波のひと・土門拳の生涯』(小学館)を出していたからだろう。土門の写真が中心で、私は土門の小伝を書いただけだった。

 そこに私は「土門を同郷の先輩として誇りに思うが、ただ1つ残念なのは勲四等旭日小綬章を受章したことである」と書いた。

「なぜに勲章を、しかも勲四等などもらってしまったのか。日本の勲章は政治家、官僚、そして民間人との順に差がある。どんな愚物でも、首相などをやっていれば勲一等を受章する。中曽根康弘など大勲位である」

 こう続けて、次のように結んだ。

「いささか刺激的に言えば、勲章はもらった人より拒否した人の方に魅力的な人物がいるのである。土門こそ拒否してほしかった。その思想を考えるなら、まさに拒否する方がふさわしかったのではないか。長い病床生活で、後年は自分の意思を表すのが難しかったというから、おそらく受章は土門の本意ではなかったのだろう」

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