無理のないローン返済のコツは…返済期間短縮よりも、繰り上げ返済を優先
住宅ローン編(5)
今年61歳になり、再雇用で中堅医薬品メーカーに勤務する松野雄志(仮名)は、老後に備えて初のマンション購入を考えている。近所の居酒屋で知り合った40代の新家樹(仮名)も、マイホーム購入を計画しており、何かと意見交換することが多い。
60歳を過ぎている松野は、完済時年齢が満80歳までという銀行の規定によって、返済期間は最長でも20年以下に限られるが、40代の新家は最長の35年返済が可能だ。
返済期間を長くすれば毎月返済額を少なくできるが、その分利息がかかる期間が長くなるので、完済までの総返済額が多くなってしまう。たとえば、金利1%、借入額4000万円、35年の元利均等・ボーナス返済なしだと、35年返済なら毎月11万円台ですむ。しかし、35年間の総返済額は約4742万円に達する。
これを20年返済にすれば毎月返済額は18万円台に増えるが、総返済額は約4415万円ですむ。20年返済のほうが300万円以上得できる計算なのだ。しかし、40代の新家は無理して返済期間を短くするのはあまり意味がないと考えているそうだ。