住宅ローンは高齢になるほど厳しい…20年以上の返済期間は60歳代は使えない
住宅ローン編(2)
中堅医薬品メーカーを定年退職、その後、再雇用で勤務を続けている松野雄志(61=仮名)。老後のために初めてのマンション購入を考え始めたが、60歳を過ぎても住宅ローンを借りられるのか心配している。
松野には、マンション購入を考え始めてからできた友達がいる。営業担当の現役時代には、医師らを相手にした接待が多かったが、定年後はそれもパッタリなくなって、たまに一人で駅前の居酒屋に入るようになった。そこで40代の会社員・新家樹(仮名)と知り合った。席が隣り合ったことがキッカケで世間話をするようになり、新家が子どもたちの成長にあわせて一回り広い持ち家を手に入れたいと考えていることが分かり、情報交換かたがた月に2、3度飲むようになったのだ。
このところマンション価格が上がり続けているので、多額の住宅ローンの借り入れが必要だが、40代の新家は35年返済の長期のローンを組んで、ジックリと返済したいとしている。
しかし、松野の場合にはそうはいかない。住宅ローンには、「完済時満80歳未満」という規定があり、61歳の松野の場合は、最長でも18年となる。