有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

クイーンズ伊勢丹(下)食のSPA(製造小売業)に変身して赤字から再生した

公開日: 更新日:

 三越伊勢丹HDの業績が復調してきたことが、経営陣を強気にさせている。23年3月期の総売上高は前期比15%増の1兆500億円、営業利益は2.4倍の140億円、純利益は38%増の170億円を見込む。年間配当は2円増の12円とする方針だ。

 百貨店子会社、三越伊勢丹の総売り上げはコロナ前の19年3月期と同水準を射程に入れている。ドル箱だったインバウンド(訪日観光客)需要は蒸発したままだが、優良顧客に絞り込んだ「外商」の高額品の販売が伸びている。

 クイーンズ伊勢丹を運営するエムアイフードスタイルの株式を買い戻した結果、39億円の特別利益を計上することは前回に述べた通り。

 エムアイフードの22年7月~23年3月の9カ月分の売り上げが本体に上乗せになる。総売り上げは324億円、営業利益は11億円、純利益は7億円の寄与を見込む。エムアイフードがバリバリの黒字会社に“変身”して戻ってきたのが心強い。

 三越伊勢丹時代は17店だったが、ファンドの傘下でも18店と、1店しか増えていないことからも分かるように、高級スーパーはどこに進出するか、立地の選定が難しい。かつては、都内屈指の高級住宅街の自由が丘や成城に店を構えたが、数年で撤退した苦い過去がある。

 食のSPAに変身したクイーンズ伊勢丹の最終到達点は、デパ地下の有名総菜店の集合体だ。成城石井、紀ノ国屋と肩を並べる、“売る力”を持った筋肉質の小売企業に育てられるかどうか。三越伊勢丹の経営陣の力量にかかっている。クイーンズ伊勢丹がダメなら、高級スーパーの経営はあきらめた方がいい。

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