有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

クイーンズ伊勢丹(下)食のSPA(製造小売業)に変身して赤字から再生した

公開日: 更新日:

 三越伊勢丹はなぜ、買い戻したのか? 富裕層向けの高級食材や個性的な商品を取り扱う高級スーパーは「成長の余地が高い」と判断したからにほかならない。

■芦屋市は高級スーパーの激戦区

 東京の田園調布と並び称され、富裕層が多い兵庫県芦屋市で、厳選した食材や総菜を扱う高級スーパーの出店が相次いでいる。

 高級スーパーの関西での代名詞となっている、いかりスーパーマーケット(本社尼崎市)は芦屋市では“先発組”だ。芦屋に2店舗持っているが、古い方の店を21年8月に休業し、全面改装。同年12月に新装オープンして有力な県外からの“後発組”の進出に備えた。成城石井も芦屋に既に進出している。人口10万人足らずの芦屋市に高級スーパーが8つもあるという、超激戦区となった。

「高級スーパーの日本最大の激戦区。1年以内に淘汰される店も出てくるだろう」(外資系証券会社のスーパー・コンビニ担当のアナリスト)

 高級スーパーにスポットライトが当たるのは、価格競争に巻き込まれにくい業態であるからだ。「悪い円安」下、安値での叩き合いは、利益なき繁忙しか生み出さないからである。

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