企業の守護神「IRジャパン」の不祥事 親密メンバーで構成された不正調査委員会のお手盛り感
上場会社のIR(投資家向け情報)コンサルティングなどを手がけるIRジャパン(本社東京、社長・寺下史郎)に6月1日、証券取引等監視委員会の捜査員が家宅捜査を行った。
「IRジャパンの副社長・最高執行責任者(COO)が漏らしたインサイダー情報をもとに、高級クラブで働く愛人などがカラ売りをしていたようだ。副社長は連日、監視委の調べを受けており、いつ逮捕されてもおかしくない状況だった」とIRジャパンの関係者は話す。
強制調査が入った当時、副社長はIRジャパンの現役の代表取締役だった。そのため同社は慌てて3日に「一身上の都合」で辞任したと発表。ところが週明けの6日、『ダイヤモンド・オンライン』が一部始終をスッパ抜いたために、やむを得ず同日に強制調査を認めて、社内に不正調査委員会を設置することになった。
もともとは信託銀行名義の株主を調査することを主業としていたIRジャパンは近年、アクティビスト(物言う株主)対策で名を上げてきた。リクシルや東京機械製作所、関西スーパーなど、注目のプロキシーファイト(委任状争奪戦)で、経営陣側に付き、総会議案の票読みから、株主への電話勧誘や戸別訪問といった説得工作を行うなど、暗躍してきた。