世界中で始まった“バブル崩壊”…1980年代前半の悪夢が再来か
バブル崩壊の足音が聞こえる。いや、すでに、バブル崩壊は始まっている。実態のないミーム株、仮想通貨の暴落、箱物上場と称されたSPAC市場の壊滅的な状況が好例だろう。
FRBはコロナショックに対応、猛烈な流動性の供給を行った。この結果、FRBの総資産は9兆ドルに膨らんだ。アメリカのGDP(23兆ドル)の2割程度(4.6兆ドル)が妥当といわれる水準を大きく超えている。
いわゆる、過剰流動性の創出である。このため、株価は暴騰(NYダウは1月5日に3万6952ドルの高値を示現)、住宅価格、前出の「アダ花」的な商品の急騰劇を演出した。しかし、流れは変わりつつある。
元凶はインフレだ。CPI(消費者物価指数)上昇率は3月が8.5%、4月が8.3%、5月が8.6%と異常値(FRBの目標値は2%)となっている。
FRBはインフレ抑制のため、利上げを続けている。3月に0.25%、5月に0.5%、6月に0.75%の利上げを強行、7月に0.5~0.75%、9月に0.5%程度の利上げを行う見通しという。