定年後に初のマイホーム…60歳代でも住宅ローンを組めるのか
住宅ローン編(1)
中堅医薬品メーカーの営業担当として40年近く勤務、昨年から再雇用で若手の指導に当たっている松野雄志(仮名)は61歳。現役時代は全国の営業所を転々とし、借り上げ社宅などの制度が充実していたため、マイホームを必要としなかったのだが……。
定年後、都内の賃貸マンション住まいの松野。子どもたちは独立し、妻との2人暮らしなので、借りているのは2DK。再雇用で勤務しているいまは家賃補助があるので、さほどの負担はないが、それもあと4年ほどで終了すれば、補助がなくなる。
人生100年時代の長い老後、家賃を払い続けるのはもったいないと、初のマイホームの取得を考え始めている。
年をとってからの一戸建て住まいは階段の上り下りや庭の手入れなどの負担が大きいこともあって、基本的にフラットでバリアフリーのマンションが望みだ。体に多少不自由な面が出てきても医療機関などがそろい、生活利便施設が整っている場所を考えている。
このところマンション価格は新築、中古ともに上がり続け、首都圏の平均価格は新築が6000万円を超え、中古も4000万円近くに達していることをニュースで知った。年をとってからの利便性を考えると、できれば東京23区が望ましいが、2DK程度の広さであれば、新築でも何とか5000万円程度で手に入るのではないかと考えている。