中西文行
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中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

日銀が恐れる株価暴落とさらなる円安 金融引き締めに動けない理由

公開日: 更新日:

 日本銀行の黒田東彦総裁は17日、現時点での金融引き締めや利上げは景気の下押し圧力になり「適切でない」との見解を示した。欧米の中央銀行がエネルギー価格の急騰などから相次いで利上げをする中、異次元緩和政策を続ける。

 2013年4月4日に決定された異次元金融緩和「量的・質的金融緩和」は、市中への資金供給量を増やし、期待インフレ率を上昇させるというサプライサイドポリシーであるが、過去10年、まったく機能していない。

 13年から22年まで何度も景気は良くなったが、異次元金融緩和は変わらなかった。資本主義である以上、市場経済であり、物価は変動する。資本主義には「景気循環」があり、景気は、上昇、好況、後退、不況というサイクルを繰り返す。それは、日経平均株価のチャートが波打つのにも端的に表れている。

 コロナ禍の不況も俯瞰すれば、景気循環のサイクルに包含される。好況の時に金融引き締めがなければ、永遠に金融緩和であり、それはモルヒネのように経済を弱体化させる。

 日銀は、異次元金融緩和から、金融引き締めに転じる政策転換による株価の暴落を恐れていよう。なぜなら、日銀は時価にもよるが推定60兆円と大量の株式ETFを保有し、日本最大の株式保有家であり、株価暴落となればバランスシートが悪化し、「通貨の番人」たる日銀の信用力も低下。そしてそれは「円」に対する信用の毀損となり、さらなる円安に落ち込むからだ。

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