吉野家HD(上)“シャブ漬け”発言の常務解任はトカゲの尻尾切り
株主総会のシーズンが始まった。吉野家ホールディングスは5月26日、東京・中野サンプラザで定時株主総会を開いた。傘下の牛丼チェーン、吉野家で女性蔑視発言をした常務の解任や、外国籍と判断した大学生の採用説明会への参加拒否といった、企業体質に疑念を持たれかねない問題が、次々発覚した直後だったから、株主から質問が多数飛んだ。
〈「企業の社会的責任の自覚や顧客への敬意が、全く感じられない」。最初に質問した株主は吉野家をめぐる一連の問題に触れ、壇上の経営陣にこう迫ったという。別の株主も「情けない不祥事が続いている。上級幹部社員によるテロだ。企業の業績を台無しにしかねない。コンプライアンス(法令順守)の徹底を具体的にどうするのか」とただした〉(産経新聞WEB版5月26日付)
■株主には謝罪したが…
河村泰貴社長(53)は「ご迷惑、ご心配をおかけしたこと、心よりお詫びします」と謝罪した。吉野家HDの経営トップが、この問題について公の場で謝罪するのは初めてだ。だが、あくまで株主に対しての謝罪であり、記者会見を開いて一連の問題について説明することはなかった。