有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

吉野家HD(上)“シャブ漬け”発言の常務解任はトカゲの尻尾切り

公開日: 更新日:

 株主総会のシーズンが始まった。吉野家ホールディングスは5月26日、東京・中野サンプラザで定時株主総会を開いた。傘下の牛丼チェーン、吉野家で女性蔑視発言をした常務の解任や、外国籍と判断した大学生の採用説明会への参加拒否といった、企業体質に疑念を持たれかねない問題が、次々発覚した直後だったから、株主から質問が多数飛んだ。

〈「企業の社会的責任の自覚や顧客への敬意が、全く感じられない」。最初に質問した株主は吉野家をめぐる一連の問題に触れ、壇上の経営陣にこう迫ったという。別の株主も「情けない不祥事が続いている。上級幹部社員によるテロだ。企業の業績を台無しにしかねない。コンプライアンス(法令順守)の徹底を具体的にどうするのか」とただした〉(産経新聞WEB版5月26日付)

■株主には謝罪したが…

 河村泰貴社長(53)は「ご迷惑、ご心配をおかけしたこと、心よりお詫びします」と謝罪した。吉野家HDの経営トップが、この問題について公の場で謝罪するのは初めてだ。だが、あくまで株主に対しての謝罪であり、記者会見を開いて一連の問題について説明することはなかった。

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