日本電産のカリスマ経営者 永守重信会長「社長はまだ見習い」発言のホンネは?
日本電産は6月17日、京都市のリーガルロイヤルホテル京都で定時株主総会を開いた。創業者でカリスマ経営者の永守重信会長(77)が4月に最高経営責任者(CEO)に復帰してから初の総会で、後継者不在が懸念されていた。
株主総会には469人の株主が出席。永守氏は「社長はまだ見習い。今一生懸命教えている」。同席した関潤社長(61)をこう評した、と報じられている。関氏は、日産自動車の副最高執行責任者(副COO)に就いたが、格下だった内田誠氏(55)が社長兼CEOになったのが不満で、20年1月、日本電産入りした。翌年6月に永守氏からCEOを継承し、22年3月期の業績は過去最高を更新した。
それでも「3K経営」(高株価、高収益、高成長)を標榜する、永守オーナーのお眼鏡にはかなわなかった。「3K」の骨格を形成する高株価を実現できなかったからだ。
関氏がCEOを兼務した21年6月の株価は、1万2000円を上回っていた。だが、今年4月には8000円台に下落。永守氏は「耐えられない水準だ」と苛立ちを募らせ、関氏は就任1年足らずでCEOから降格された。