黒田総裁辞任でも円高効果はせいぜい10円…円安ブレーキを阻む「アベの壁」

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 円安が止まらない。13日は一時1ドル=135円台前半まで下落。約24年ぶりの円安水準となった。急速な円安進行が襲っても、「金融緩和を粘り強く続ける」と強弁する日銀の黒田総裁の辞任が円安ブレーキの特効薬だが、それを阻むのが「アベの壁」だ。

 原油高と円安により、さらなる物価上昇は必至。暮らしは苦しくなる一方だ。黒田氏は「値上げ許容発言」こそ撤回したが、ことあるごとに「金融緩和の継続」を強調。いたずらに円安を加速させている。

「黒田総裁が緩和継続を訴えるたび、投資家は安心して円を売ってドルを買える。もっと発言が控えめな総裁なら、これほど円安が進んでいなかったでしょう。4月の対ドル円相場の実勢値は、日米の消費者物価指数から算出した理論値より、13%割安との試算がある。実力から、かけ離れた円安の責任の一端は、黒田総裁にあります」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)

アベノミクス否定を許さない

 先週、政府と日銀が「円安を憂慮する」との共同声明を出したが不発。為替介入も米財務省が「極めて例外的な場合に限られるべきだ」と牽制しており、円安阻止に効果的な為替介入は難しいとの見方が強い。

「市場では、円安を食い止める最大の特効薬は黒田総裁辞任との見方が浮上しています。新総裁が就任すれば、利上げに踏み切るかもしれないとの心理が働き、円売り、ドル買いは慎重になるはず。黒田辞任で10円程度の円高効果はあるとみていいでしょう。ただ、任期途中の辞任はアベノミクスの否定につながり、安倍元首相のメンツをつぶしかねない。日銀も望んでいないため、政治判断で任期を全うさせる公算が大。政府も日銀もどこを見て仕事しているのかということです」(森岡英樹氏)

 安倍氏は「骨太の方針」への自民党の提言案をめぐり、「アベノミクスを批判するのか」と同僚議員を恫喝するほど。「アベの壁」はブ厚い。

 世論の6割近くが、黒田氏は「日銀総裁として不適任」と答える中、来年4月の任期いっぱいまで居座れば、底なしの円安地獄が待っているだけだ。

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