小池都知事ブチ上げ新築住宅「太陽光パネル」義務化 省エネには「中古改修が先」と専門家
いま波紋を呼んでいるのが、昨年12月に小池都知事が打ち出した、新築住宅への「太陽光パネル設置の完全義務化」だ。開会中の都議会でも条例化への賛否が議論になった。
2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ゼロエミッション東京」実現に向けた取り組みだが、「将来的な大量廃棄」「台風による落下」など多くの点で否定的な意見が少なくない。設置費用約100万円は消費者負担だが、都の試算だと自家消費や売電で10年程度で元がとれるという。こうした経済性から賛成の声もなくはない。
専門家はどう見ているのか。「現在の新築住宅着工件数からすると、実効性の面で有効だとはいえない」と、不動産コンサルタントの長嶋修氏はこう続ける。
「現在の住宅総戸数6240万に対して、年間の新築着工件数は80万程度。住宅のエネルギー効率を上げるのであれば、中古改修に手をつけるのが先決でしょう。パネルの寿命や小規模太陽光の発電効率などを鑑みると、この制度が地球環境に優しいかははなはだ疑問です」
■省エネには「新築より中古の改修を」