都市部でも増加する「空き家」 再生のカギとは…横浜の不動産会社社長が語る今後の課題
少子高齢化が進む中、都市部でも無関係でないのが空き家問題だ。
JR京浜東北線・新子安駅から徒歩13分ほどの高台にある横浜市神奈川区子安台。古くからの住宅地である子安台は、ファミリータイプのマンションが立ち並ぶ駅周辺とは異なり、住民の年齢層は高い。このエリアにある空き家が今、再生に向けて動き出している。
残り7年の借地権が設定された40平方メートルの敷地に立つ民家は、すでに築50年以上が経過。しかもクルマが進入できない道路に面する“難物件”。この物件の相談が持ち込まれた不動産会社「リライト」(横浜市)社長の田中裕治さんはこう言う。
「地元不動産会社が処分を請け負ったものの買い手が見つからず、こちらで買い取ることに。ただ、特に用途がなかったので地域のためになればと無償で貸し出すことにしました」
老朽化が激しく、リノベーションに1000万円ほどかかることが判明。
だが、その頃募集していたのが、市民から寄せられた町づくりのアイデアに最大で500万円助成する市の「令和2年度ヨコハマ市民まち普請事業」。運よくこの審査に通過し全面改装を実施。