ロ軍入隊事務所「放火多発」の異常事態!プーチン大統領は国民世論と主戦論の板挟み状態

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 反戦世論に火が付いたのか──。ロシア軍によるウクライナ侵攻開始から3カ月余。プーチン大統領の最側近であるニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は24日、「特定の期限を目指していない」と語り、長期戦の構えを見せたが、ロシア国民はついていくのか。ロシア軍の入隊事務所への放火が多発している。何を意味しているのか。

 ◇  ◇  ◇

 米国議会が出資する「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー」が今月中旬、〈戦争への抗議の兆候の可能性〉との見出しで、相次ぐ放火事件を報じている。ロシアのニュースポータル「Baza」によると、2月24日のウクライナ侵攻以降、ロシア軍の入隊事務所が10カ所以上も放火されたというのだ。

 今月13日、西部ロストフ地方南部のグコボの町の入隊事務所が部分的に焼失。

 15日早朝、西部リャザン地方のプロンスク村の入隊事務所で複数の人物が放火を試みたが失敗。同じ頃、南部ボルゴグラード市の入隊事務所で火災が発生。

 他にもこれまでに中部ハンティ・マンシ地方や南部ボルゴドンスク地方などで同様の放火事件が起きている。

■動員にウンザリ

「入隊事務所への相次ぐ放火は戦争動員への抗議の意思表示とみられます。公然と反戦デモをすれば警察官に捕まるので、こっそりとできる放火を選択したのだと思います」(軍事ジャーナリスト・世良光弘氏)

 ロシアでは「戦争に行きたくない」との相談が弁護士に殺到しているとも報じられている。

「主戦論」もありプーチン大統領板挟み

 一方、戦況の行き詰まりを受け、「主戦論」も登場している。退役軍人団体の全ロシア将校会議は19日、プーチン大統領宛てに書簡を送付。侵攻について「残念ながら失敗に終わっている」として、投入戦力の拡充を求めている。

「プーチン大統領が戦力アップできず、ロシア軍が劣勢に立たされれば、主戦論者からの批判にさらされるでしょう。さりとて、政権内の『主戦論』に押されて、さらに多くの国民を戦争に巻き込めば、放火などの形で国民世論の猛反発を食らいかねない。プーチン大統領は板挟み状態です」(世良光弘氏)

 ウクライナ関連のスクープを連発している英調査報道グループ「べリングキャット」のクリスト・グロゼフ氏も16日のラジオ番組で「国防省やFSB(連邦保安局)の上級将校らは、勝機を得るためには国民総動員が必要と考えているが、それをすればロシア社会が暴発しかねない。プーチン大統領が総動員に踏み切れず、幹部の間で悲観論が広がっている」と指摘している。

 停戦交渉を進めるしかない。

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