土地を買って好みの家を建てる「売建住宅」は得なのか?
一戸建て編(6)
現在、小田急線生田駅近くでマンション住まいの小舘木三(仮名)。定年を控えて一戸建てに買い替えたいと物件探しをしているが、なかなか希望に合う物件が見つからない。すると、ある不動産会社で思いがけない情報をつかんだ。
老後の生活資金のことを考えて、ローンなしで4000万円ほどの住宅購入予算を考えている小舘。土地を買って注文住宅を建てるのは予算的に厳しいので、建売住宅が現実的かと思い始めていたが、ある不動産会社で、土地を買って注文住宅を建てられる“売建住宅”があると教えられた。
一般的な建売住宅は、分譲地に一戸建てを建設し、竣工直前や竣工後に販売する。購入希望者は、出来上がった住宅の中から、好みの物件を選択するしかないが、この売建住宅は、まず土地を買って、そこに土地の売り主が指定する業者が一戸建てを建てることが条件になっている。建ててから売る建売住宅に対して、土地を売ってから建てるので、“売建住宅”といわれる。
契約は土地の売買契約と、建物の建築請負契約の2本立てになる。土地の売買には、一定期間内に指定する業者と建築請負契約を締結することが条件になっているので、「建築条件付き宅地販売」と呼ばれることもある。