日本最大級Q&Aサイト「オウケイウェイヴ」大揺れ!巨額資金流出で創業者と役員が訴えられた

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 日本最大級のQ&Aサイトで知られる「オウケイウェイヴ(以下、オ社)」(名証セントレックス上場)に激震が走っている。オ社が投じた巨額資金の回収見込みが立たず、焦げつく可能性が高いためだ。

 一連の出来事が明るみになったのは、オ社が4月19日に出した「債権の取立不能または取立遅延のおそれに関するお知らせ」というリリースが発端だった。

 これによると、2021年4~6月に、オ社は自己資金34億2900万円の運用を在日インド人が代表を務めるA社に委託。しかし、A社が法的整理(破産手続き開始の申し立て)の実施を通知してきため、元本の34億2900万円と得られるはずの運用益15億300万円の計49億3300万円が取立不能に陥っている(数字はリリースの通り)と、オ社は公表したのだった。

 オ社のリリースに従えば、オ社はA社に騙された被害者のように映る。

 だが、4月27日、28日には、A社から、オ社創業者で元社長のB氏と、社外取締役のC氏に対して、不正に流出した金銭の返還を求める裁判が提訴されている(不正流出額はそれぞれ2200万円、約15億5000万円と主張されている)。

 オ社は1999年にB氏が前身の会社を設立。06年1月に現社名に変更し、同年8月には名証セントレックスへの上場を果たした。Q&Aサイトのほか、近年は暗号通貨などのフィンテック事業にも進出(現在は撤退)。

 B氏はいじめや難病、ホームレス生活の末に起業し成功を収めたことで、自らの体験をさまざまな媒体のインタビューで語り、数冊の書籍を出版するなど、有名起業家として知られている。

■35億円近くを運用実態のない会社に突っ込む

 オ社の状況が一変したのは昨年のこと。6月、主力のソリューション事業をAI(人工知能)関連の上場企業に売却。これにより、オ社は21年6月期におよそ64億円の特別利益を計上していた。

 今回オ社が巨額投資をしたのは、主力事業を売却した時期とほぼ重なっていたことがわかる。

<これまで当社が当該取引先(本紙注・A社)にて運用した資金について、当社が当該取引先との間の契約で定めた投資運用は行われておらず、当該取引先が、入金された資金を他の投資者への支払いに充てていたことが判明し、当該取引先に対する債権の取立不能または取立遅延のおそれが生じております>(4月19日 オ社「債権の取立不能または取立遅延のおそれに関するお知らせ」)

 オ社の資金運用を委託されていたA社とその関連会社には、株式指数先物・オプション取引を除き、運用の実態がないこと。さらに、投資ファンドに必要な金融商品取引業の登録がされていなかったことが判明している。

 また、A社は大手証券会社から値上がりが期待できるIPO(新規株式公開)の特別枠を割り当てられていると投資家に説明。それを口実に投資家を勧誘してきたが、実際はそうした事実はなく、IPO株投資が実行された形跡は確認されていない。

 つまり、運用の際に高利回りを約束し、投資家への利払いや解約金の支払いを、新たに勧誘した投資家の資金によって賄う詐欺的手法「ポンジスキーム」であった疑いが強い。

社外取締役C氏は関与を否認

 ではなぜ、この件で、巨額資金の出し手であるオ社の創業者B氏と社外取締役C氏が返還請求の裁判を提訴されたのか。
 
 訴状によると、C氏は多くの投資家をA社に勧誘。C氏が社外取締役を務めるオ社も勧誘されたうちの1社と記されている。

 さらに、創業者B氏が社長を務める会社に2200万円、C氏個人とC氏が社長を務める会社、そしてA社代表の知人D氏個人とD氏が社長を務める会社に、営業支援や紹介料の名目で複数回にわたり計15億5084万円以上のカネがA社から不正に送金されたためとしている。

 だが、オ社は5月16日付のリリースで、A社への投資はオ社現社長の福田道夫氏の知人の紹介によるもので、社外取締役C氏からの勧誘ではない上に、A社からカネを受け取った事実はないとC氏は話しているという(ただし、このリリースはオ社の監査役の了承を得ずに出されたものであるとのこと)。

<当該取締役(本紙注・C氏)は当社の当該取引先(本紙注・A社)に対する資金運用委託に関して手数料その他の名目での金員を受け取った事実はないと否認しております。
 当該取締役は取締役会等の中でもたびたびガバナンスについての知見のあるアドバイスを行っており、本件も当社の利益に寄与する観点で、その内容を確認したうえで前向きに進めてきており、当社としては当該取締役が当該取引先の一員として当社へ勧誘を行っていた認識はありませんでした。当該取引先の取引の更なる事実関係については現在調査中です>(5月16日付のリリース)
 
 ところが、関係者によると、オ社がA社に初めて投資を委託した際の取締役会では、取締役1名と監査役1名がA社への投資に反対し、現在、その2名ともオ社の役職を退任しているという。

■大手企業の有名経営者も被害か

 創業者B氏は現在、オ社のすべての役職から降りており、昨年末時点で保有株式も3%程度とオ社への影響力は以前ほどない状況にある。そもそも、上場企業が主力事業を売却した資金を元手にあやしげな運用に手を染めていたこと自体が不可解極まりないだろう。

 自社の巨額資金の流出について、オ社はこう答える。

「(創業者B氏、社外取締役C氏への)訴訟については認識しておりますが、訴状がこちらに送られていないため、内容までは確認できておりません。現在、調査委員会を立ち上げ事実関係を調査している最中で、A社への訴訟や(今回の投資に関与している)当社関係者の責任の所在追及に関しては調査結果で詳細が明らかになった後、対応していく予定です」(オ社広報担当者)

 現在、A社の法的整理を進めている「狛・小野グローカル法律事務所」の山中眞人弁護士によると、A社の銀行口座にはオ社をはじめとする投資家から募った資金はほぼ残されていないとのこと。

 被害総額はオ社の出資金34億2900万円を含め総額数十億円以上にのぼり、大手上場企業の有名経営者も被害に遭っているといわれているが、実体は明らかになっていない。上場企業を舞台とした巨額資金流出に、警視庁は関心を示しているという。

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