菅前首相「円安メリット活用を」発言の仰天…疑問と批判が続出、経済評論家も一刀両断!
まさか自民党政権は、この「円安」を歓迎しているのか。
急速に進む円安について、「全体としてプラス」と評価した日銀の黒田総裁につづいて、菅前首相が14日、出身地の秋田で講演し「円安メリットの活用を」と訴えた。総理時代に推進した「インバウンド」(訪日外国人客)事業をあげて、「円安のメリットをもっと活用すべきだ」と岸田政権に注文をつけた。
2019年に日本を訪れた外国人観光客は、過去最高の3188万人に達し、その旅行消費額は4兆8000億円に拡大していた。国別では、1位が中国(1兆7704億円)、2位台湾(5517億円)、3位韓国(4247億円)だった。2020年以降は、世界的なコロナ禍によってインバウンド需要は、ほとんど蒸発している状態だ。
たしかに、「円安」が進めば進むほど、訪日外国人観光客を増やすことにつながるのは間違いないが、問題は、このまま1ドル=130円の「円安」を放置することが、日本経済全体にとって、はたしてプラスなのかマイナスなのか、ということだ。
「日本を安く売る政策」の恩恵を受けるのは…
ネット上では、菅氏の発言に対して<自国通貨が安いという事は、その国の民は疲弊して、外国人が得をするという意味です><円安により得をする人なんて、日本人の少数派なんだけど、輸出企業がメインの経団連企業は円安の方が得をする>と、疑問の声が噴出している。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「円安が進んだのだから、せめてインバウンドで稼ごうということかも知れません。しかし、日本を安く売る政策は国民全体から見たらプラスにならないと思う。輸入物価を押し上げて、庶民の暮らしを苦しくするだけです。企業にとってもマイナスでしょう。ロイター通信の調査によると、1ドル=120円超の円安を“減益要因”と回答した企業は48%に達し、“増益要因”の23%を大きく上回っている。もちろん“円安”によって輸出大企業は儲かるでしょうが、過去10年間を振り返っても、大企業は儲けても内部留保を膨らませるだけです。トリクルダウンは起きないでしょう」
自民党は誰の利益を優先させているのか。