プーチン政権崩壊の兆し国内外で加速 南オセチア大統領選で親ロシア派現職が衝撃の敗北

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 プーチン大統領は大きなショックを受けたに違いない。旧ソ連構成国「ジョージア」の親ロ派地域の住民や、政府系メディアの記者たちから相次いで「No」を突き付けられ、政権崩壊の兆しが現れつつある。戦争継続に固執する“皇帝”の孤立は深まる一方だ。

 ◇  ◇  ◇

 ジョージアから一方的に分離独立を宣言している親ロシア派支配地域「南オセチア」で8日、「大統領選」の決選投票が実施された。同地域のロシアへの編入を訴えた現職アナトリー・ビビロフ氏(52)が、編入に慎重なアラン・ガグロエフ氏(41)に敗れた。

 南オセチアは、2008年のジョージア紛争後にロシアが独立を承認。ロシア軍によるウクライナ侵攻後は戦闘員を派遣し、ロシア軍を支援してきた。戦死者まで出ている。

 プーチン大統領はウクライナ侵攻の「目に見える戦果」として南オセチアをロシアへ編入しようと画策していたとされる。プーチン政権の意を受けたとみられるビビロフ大統領が3月末に編入手続きに入る方針を表明していた。大統領選で「編入No」の審判が下されたのだ。

 筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)がこう言う。

「決選投票はロシア政府によってプーチン大統領に近い現職が当選するように不正が行われた可能性が高い。それでも現職が落選したということは、住民だけでなく選挙管理委員会などの公務員もプーチン大統領に批判的な立場だということです。同じ親ロ派地域のウクライナ・ドンバス地方の住民もロシアへの編入を望んでいないとみていいでしょう」

政府系メディアに糾弾記事「偏執症の独裁者」

 米英メディアによると、ロシアの対独戦勝記念日の9日、ロシア政府系のニュースサイト「レンタ・ル」に、所属する記者2人が30本以上の「反戦記事」を掲載。直後に削除されたという。同サイトは月間2億人以上が訪問するロシア最大級のサイト。ウクライナ侵攻直後は、プーチン政権のプロパガンダに手を貸していた。

 記事ではプーチン大統領を「痛々しい偏執症の独裁者」と呼び、「21世紀で最も残虐な戦争」を始めたと糾弾。「プーチン氏とその取り巻きは戦後、法廷で裁かれる運命だ。自分たちを正当化したり、敗戦後に逃げたりすることはできない」とバッサリ。各記事の見出しの下には〈国の承認を得ていないため、大統領府に削除されるだろう〉として、表示画面の保存を求めていた。

 ロシアの独立系ニュースサイト「メディア・ゾーン」は、記事掲載後に記者2人が出した声明を報じた。「プーチン氏は去らねばならない。無意味な戦争を始め、ロシアをどぶに突き落とすつもりだ」などと批判。読者には「恐れるな。沈黙するな。抵抗せよ。あなたは1人ではない。ウクライナに平和を」と呼び掛けている。

「明らかに言論統制が利かなくなっています。2人の記者は大統領府に記事を削除されることを楽しんでいるように見えます。戦時に反戦のアクションを取ったという事実も残しておきたいのでしょう。プーチン政権は長く持たないとみて、戦後を見据え、戦争に異論を唱えるメディア人が増えるのではないか」(中村逸郎氏)

 プーチン政権の崩壊は近いか。

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