小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

ルノー アルカナは侮れない!突如出現した伏兵ハイブリッドSUVは高速燃費でトヨタ超え?

公開日: 更新日:

ルノー アルカナ(車両価格:¥4,290,000/税込み)

 予想しないところから意外なる実力者が現れた。欧州から来た伏兵ハイブリッド、ルノー アルカナだ。

 国内発表は2月、発売は5月26日。ユニークなネーミングやスタイリングもあり、当初は「アライアンス企業の日産の技術を使った二番煎じハイブリッドなのカナ?」ぐらいに思っていた。既存モデルのルノー ルーテシアやキャプチャーを流用したガワ違いのクーペSUVだと思っていたのだ。

 ところが説明を聞くと、予想とだいぶ違う。ルーテシアと車台を共用するまでは予想通りだが全長×全幅×全高は4568×1821×1576mmとかなり大きめだし、スタイリングは流麗かつ実用性もありそう。大人5人と結構な荷物も積める。

 なによりパワートレーンは1.6ℓ直4エンジンを使った「E-TECH」なるシロモノ。ルノーF1譲りのドグミッションというレーシング技術を応用しており、日産e-POWERはもちろんトヨタハイブリッドのTHSⅡとも構造が違う。

時速90km前後での高速燃費はリッター40kmに迫る勢い

 実際に乗って驚いた。世間一般には2モーター式でどこからエンジンがかかり、どこからモーターで駆動しているのかよく分からないTHSⅡと、エンジンはほぼ発電専用として使い、加速はほぼモーター単独で行うe-POWERやホンダe:HEVがあるのだが、エネルギー配分的にはTHSⅡに近い。発進はほぼモーター単独で行われるが、その後モーターがどれくらいパワーを出し、エンジンが何速に繋がっているか全くわからない。不思議な感じはTHSⅡに少し似ている。

 ただしTHSⅡにありがちな突如「ブーン」とエンジンがかかる感じやもっさり感がない。常時ロスなく瞬間的かつ複雑にギア比を変えるドグミッション式ハイブリッドらしく、ダイレクト感がありつつスパっと動力配分が変わる。ひとことで言うと複雑かつダイレクト感があるのだ。

 しかも驚いたのが高速燃費の良さ。WLTCモード燃費は22.8km/ℓと、カローラクロスハイブリッドの26.2km/ℓに及ばない。うーん、やはり燃費効率はトヨタの勝ちか……と思いきや、時速90km前後で高速燃費を測ったところリッター30kmを超え、リッター40kmに迫る勢い。御殿場試乗会中ゆえ、たっぷり試せなかったが、高速ではトヨタTHSⅡを超える可能性を持っている。

ルノー開発陣はトヨタTHSⅡの欠点を意識していた

 聞けばルノー開発陣は、世界に冠たる高効率ハイブリッドのトヨタTHSⅡだが「唯一、高速燃費がネック」なことを知っていたという。高速でエンジンが常時回ってしまい、効率が落ちる欠点を意識していた。

 逆にそこで優位性を発揮するのがルノーE-TECHであり、独自のドグミッション技術により高速でダイレクトかつロスなく高効率で走ることができるのだ。

 バッテリーEVばかり注目を浴びる今の自動車界だが、まだまだハイブリッドカー界も新技術が生まれ、切磋琢磨しているのだ。新型ルノーハイブリッドSUVのアルカナ、侮れませんぜ!

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