いよいよ始まった「円安倒産」の連鎖…日本に“予備軍”中小企業100万社の衝撃
1カ月で10円以上の円安が急激に進んだ4月、4カ月ぶりに「円安」関連倒産が発生した。福岡県の貿易商社で、「新型コロナ感染拡大に伴う業況悪化に加え、円安で価格が上昇した商品の輸入制約もあり、破産を申請した」という。
いよいよ始まってしまった──。
円安はさらに加速し、3月頭の1ドル=115円が今や130円台に定着しつつある。原材料や資材などの価格上昇によるコスト負担増に対応できなくなる企業が、これから続出する恐れが出てきた。
■7割が「価格転嫁できていない」
東京商工リサーチが4月上旬に実施したアンケート調査によれば、原油高や原材料価格の上昇、円安進行などのコスト増を「価格に転嫁できていない」企業は68.6%に達した。29%の企業がすでに営業赤字だといい、現状より10%以下のコスト上昇でも、16.9%の企業が営業赤字に転落する。
円安が自社の経営にマイナスと回答した企業は39.6%。望ましい円相場の最多レンジは「110円以上115円未満」が42.5%と圧倒的だった。現状の為替相場と20円近くも乖離がある。これでは、中小企業になればなるほど耐えられない。