プーチンとロシア正教会との蜜月の裏にある「子供時代の洗礼」
「ソ連復活」をもくろんでいると欧米に警戒されるロシアのプーチン大統領。彼が共産主義の「無神論者」ではないかというステレオタイプが存在するが、キリスト教徒であることは既に指摘した。洗礼は子供時代に済ませている。むしろ、革命家レーニンを毛嫌いしている節があり、独裁者の「ウクライナ観」に影を落としている。
ソ連だった昔から、国民は本音と建前をうまく使い分ける。宗教をアヘンとして抑圧する世界でも、教会は「博物館」名目で残り、隠れてクリスチャンでいることもできた。プーチンは米映画監督オリバー・ストーンのインタビューで「私が子供の頃、母は洗礼を受けさせた」と説明する。
ただ、当時と比べると、ロシア正教会は我が世の春を謳歌している。何せプーチンが庇護者なのだ。キリル総主教は、ウクライナを「ナチ」呼ばわりする「聖戦」を応援し、2014年からの東部ドンバス地方の紛争では聖職者が銃を持って戦う例も見られた。
信徒の組織票は、政権与党「統一ロシア」を支えている。
■奇跡か作り話か