「芸能界の不動産女王」水沢アキさんに聞く タワマン購入“虎の巻”
都内の坪単価から立地まで頭に入っているという水沢アキさん(67)はタワマンウオッチャー。
「今は不動産ミニバブル。今日もね、都内のマンションを見に行ったんですが、『これ、相場の2000万~3000万円くらい盛ってますよね?』ってお断りしてきたところなんです(笑)」と言う。高層マンションに憧れた20代から始まり、投資のために見ていたそうだが「タワマンは仕事に生きる女の通過点」と語る理由を教えてもらった。
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私が高層マンション好きになった原点は25歳の時に住んだ広尾タワーズでした。当時の広尾では17階建てでも高層マンションでした。23歳で南麻布にマンションを買い、広尾タワーズに住みたいと待っている間に24歳で元麻布のマンションを購入し、そちらをわざわざ賃貸に出して、1年半待ちで念願のタワーズに賃貸で住みました。
タワマンなど高層マンションの良さは“共用設備の充実度”と“眺望”。場所柄、外国人居住者が多く、テレビをつければCNNが流れ、まるで留学しているようで、カップラーメンですらおいしかった。高層階に住む方のお部屋に招かれ、眺望の良さに癒やされることを知ったことはその後のタワマンへの関心につながりました。景気も上向き、収入も人生のピーク。成功をかみしめた瞬間でしたね。
それから31歳で結婚するまで住みました。バブルがはじけて6億5000万円の借金を負ったりもしましたが、おかげで常に不動産をチェックするようになりました。
私の不動産チェックの条件は以下です。
「ライフスタイルに合わせて着替える感覚」
◆港区、渋谷区、目黒区
投資を念頭に入れるなら、ということで、やはり子供の頃からよく知るエリアなら間違いないですから、中高通った学校のある港区、出生地の渋谷区、実家のある目黒区を集中的に見ています。逆にベイエリアとかはなじみがないので、あまり食指が動かないといいますか。家選びは働き具合、家族構成などで変化しますが、タワマンは働く人が住むのに便利なところがいいと思うんです。
タワマンを見るのはやはり投資面でメリットが多いからですね。私、権利書の最初に自分の名前が載らないと嫌なので、新築派。マンションって新築で買うと一番高くて、買ったそばから値が下がるけど、それでも損しないのがタワマン。日当たりは関係ないし、北向きでもコスパがいいし、うまく買い物すればむしろ上がる。賃貸に出しても需要があります。
タワマンのメリットとは
●値下がりしない
▼新築でもモトがとれる
▼むしろ値上がりしている
▼もう都心にタワマンは増えないという独自性
●眺望の良さ
日当たりが関係ない、北向きが坪単価が安くてお買い得。
●共用部が充実
打ち合わせはエントランスで十分。人を家に上げなくていい。
●セキュリティー面が安心
オートロックで受付にコンシェルジュがいるので、戸建てより安心。撮影など長期で留守にしても目立たない。人の出入りがあるので、一人暮らしでも怖くない。
●空港までのアクセスがいい
モノレール、リムジンが近くに止まるなど、交通の便がいい。
ネットで販売価格を見ては「この建物は階が1階上がると50万円上がる」など、法則性を見つけて、売りに出されたマンションの価格が妥当かどうか、値付けの理由を考えたりしています。
家は購入したからといって定住するものではなく、ライフスタイルに合わせて売却したり、賃貸に出したり、着替える感覚でいいんじゃないかと思います。引っ越しは大変だけど、そういう身軽さが感覚の若さにつながると思いますし。
子供も巣立って1人になってタワマンに住み始めたんですが1人で住んでも快適、怖くない。一人暮らしで仕事に生きる女性に便利。タワマンは仕事に生きる人がアクティブに生きる通過点なんだなとつくづく思います。仕事がのっていて、収入があるときこそローンでタワマンを購入する。そうすればもっと稼ごうというモチベーションにもなります。
今はタワマンチェックと並行して、ついのすみかになる緑豊かな老人ホームを探しているんですよ。
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)