一戸建てにはさまざまな構造・工法が 優先すべきは地震対策か価格か?
一戸建て編(3)
都内の中堅企業に勤める小舘木三(仮名)は、小田急線生田駅近くの分譲マンションに住んでいる。来年60歳を迎えて再雇用に移行、通勤頻度が減るのを見越して、一戸建てに買い替えられないかと検討を始めたところだ。
山形県生まれの小舘は、子どもの頃には一戸建てに住んでいたが、就職で上京後は長くアパートや分譲マンションなどの共同住宅住まいで、一戸建ての知識はまったく持っていない。
一戸建てに買い替えるといっても、何から手を付ければいいのかわからず、とりあえずネットで調べてみた。ひとくちに一戸建て住宅といってもさまざまな構造、工法の住宅があることが見えてきた。
わが国で一番多いのが、「木造軸組工法」と呼ばれる日本古来の在来工法によって建てられた一戸建て。木材で柱を立て、水平に梁をわたし、斜め材の筋交いで補強して組み立てていく。町場の工務店の大半がこの木造軸組工法を主体としている。
部材を工場で加工するなど、工場生産の割合が高いのが木造プレハブ工法。このプレハブ工法の住宅としては、骨組みに鉄骨を採用した鉄骨造プレハブ工法の住宅が多く、大手住宅メーカーのほとんどがこの工法を採用している。